シュンギク

シュンギク
名称 シュンギク(春菊・菊菜・高麗菊)
属科 キク属 きく科
学名 Chrysanthemum coronarium L.
英名 garland chrysanthemum
食性 甘・平

「日本料理には欠かせない野菜」

 いつも青々とした葉野菜としての春菊のイメージが、写真のように目の覚めるような鮮やかな黄色の花に感激します。この明るい色調は、地中海地方の原産であることがうなずけます。春菊は傷みやすい軟弱野菜のため、産地は大都市近郊に集中していますが、日本では独特の芳香とほろ苦さが好まれ、病虫害の影響が少なく、耐暑性、耐寒性があり短期間で収穫できるため、家庭菜園にも適しています。プランターに種子を蒔いて新鮮な春菊を味わいましょう。


来歴

 地中海地方原産の1〜2年生草本のシュンギクは、観賞用に切り花にする花として栽培されていたといわれ、香りが好まれず、食用にはされなかったようです。その後、中国で食用に改良されたことが、宋時代の「嘉祐本草」に記載があるようです。ローマギク、オランダギク、ルソンギク、リュウキュウギク、コウライギク、サツマギクなどの名称があり、日本へは400〜500年前、室町時代に中国、東南アジア、朝鮮半島を経て九州に渡ってきた模様で、食用にするのはこれらの地域に限られているようです。 特有の品のよい香味と柔らかい歯触りが喜ばれて、日本料理には欠かせない野菜です。八重咲きのハナゾノシュンギクは切り花用のシュンギクとして流通しています。葉の切れ込みの多少により小葉、中葉、大葉に分けられ、小葉は香気が高いが収量は少なく、あまり栽培されていない様子です。最近は秋蒔きばかりでなく、トンネル、ハウス栽培により寒い時期や高冷地、都市周辺でも周年栽培が行われています。


成分特性と利用法

 100g当たりの成分は、蛋白質2.3g、カロテン4,500μg、葉酸190μg 、ビタミンC19mgが含まれます。可溶性シュウ酸は27mg含みますが、ホウレンソウの650mgに比べれば少ないと言えます。糖質はブドウ糖が多めでショ糖、果糖を含みます。ミネラルのカリウムは460mg、カルシウム120mg、鉄1.7mgあり、野菜としての価値が高いのですが、茹でるなど加熱によりカリウムは50%、ビタミンCの80%が失われてしまいます。短時間の加熱で柔らかく食べられますので調理に工夫しましょう。 香りの主役はα-ピネン、ベンズアルデヒド、カンフェン、β-ピネン、β-ミルセン、β-クエニルエチルアルコールなど13種の精油の成分が確認されています。また、生鮮シュンギクには有機酸のリンゴ酸、クエン酸、コハク酸が含まれます。面白いことに葉緑素(クロロフィル)は30分加熱による分解でも70%以上が保たれてホウレンソウやグリーンピース、さやえんどう等と比較して、緑色色素が保たれていると試験された報告があります。
調理に活用できる話題ですね。
 塩を少量入れて1〜2分茹でてお浸し、和えもの、汁の実、鍋もの、天ぷら、中華料理の付け合わせなど、彩りや香りとともに気軽に利用できます。



参考資料:
「世界有用植物事典」「日本食品大事典」
「食品成分表」:五訂日本食品標準成分表・準拠


Copyrightc 2010. Miyagi Pref. Pharmaceutical Association. All Right Reserved.
宮城県薬剤師会に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。