ピーマン

ピーマン
名称 ピーマン(甘とうがらし)
属科 トウガラシ属 なす科
学名 Cupsicum annuum L. var. angulosum Mill.

 ピーマンは真夏の野菜で、6〜7月に葉腋に白い5弁花を1個ずつ付け、果実はほのかな青臭さと甘味と苦味が感じられる果菜に違いありませんが、季節を問わず真冬でも店頭には美しい緑色のピーマンが並んでいます。冷蔵庫の住人として利用しやすい野菜です。唐辛子を品種改良して辛みを除いた仲間ということですが、果肉は厚く、大型の丸みのある柔らかい食感の果実です。ししとうがらしや色彩豊かなパプリカも同じ仲間です。緑色のピーマンが熟してくると黄色から朱色、赤色に変わり、ビタミン含有量も増えます。特にビタミンCは加熱調理しても成分が壊れにくいといわれ、熟したものは青臭さは消えてくせがなくなり、甘く、生でも食べやすい食材になります。色彩が鮮やかで栄養価も高く美味しく、いつでも手に入ることはありがたいですね。


来歴

 ピーマンは熱帯アメリカ原産で、日本には明治以降に渡来し第二次大戦後、急速に広まりました。トウガラシ属ながら辛みがなく甘味種で、葉・花・果実とも唐辛子より大きめの種類をフランス語読みから、ピーマンと呼ぶようになったようです。江戸時代にポルトガル人から伝えられたものは辛い唐辛子で、戦前からごくわずか栽培されていた伏見甘、在来ししとうがらしがあり、京都の錦市場には京野菜として香りが高い伏見甘長唐辛子(ひもとう)が売られています。尖った細長い形で焼き物、天ぷらに美味しい素材で、京都に行くときには帰りに市場に寄って、枝葉のついたまま買い求めます。
普通のピーマンは未熟果を食べますが、ベルという大型で肉厚の品種はオランダパプリカといわれ、完熟した赤、黄、緑、赤紫、オレンジ、淡緑、黒など色とりどりのジャンボピーマンです。
ピーマンは高温多湿を好み、霜に弱いため地温が上がる5月以降に、植え付けますが、冬季でもハウス栽培や温室栽培により通年型野菜になりました。主な産地は茨城、宮崎、高知、岩手です。


成分特性と利用法

 「五訂食品成分表」は、ほとんどの食材の成分組成が記載されていますので、台所に1冊用意されて栄養バランスやカロリーの目安にされることをお勧めします。唐辛子、ししとうがらし、ピーマン類の成分組成を比較した表をご覧下さい。


唐辛子・ししとうがらし・ピーマン生果の成分組成 (可食部100g当たり)

種類水分(g)蛋白質(g)脂質(g)炭水化物(g)灰分(g)カリウム(mg)カルシウム(mg)鉄(mg)カロテン(μg)ビタミンC(mg)食物繊維(g)
唐辛子75.03.93.416.31.4760202.2770012010.3
ししとうがらし91.41.90.35.70.7340110.5530573.6
青ピーマン93.40.90.25.10.4190110.4400762.3
赤ピーマン91.11.00.27.20.521070.411001701.6
黄ピーマン92.00.80.26.60.420080.32001501.3
トマピー90.91.00.27.50.421080.419002001.6

(科学技術庁資源調査会編:五訂日本食品標準成分表)


 最近、扁平な円形の赤いピーマンがトマピーの名で販売されていますが、ハンガリアン・パプリカの一種で(トマトとピーマンの交雑は不可能)、交雑種ではないそうですが、成分表から他のピーマンより群を抜いてカロテン、ビタミンCが多いことが分かります。緑色が濃いほうが葉緑素もカロテンもビタミンC含量は多く、赤いものはカロテン、ビタミンCとも非常に多くなることも分かります。アデニン、コリン、ベタイン、ビタミンA、B、C、カリウムなど、夏収穫品は含有量が多いため、夏ばての予防や美容にも安心して利用できる健康野菜です。
 食材としての性質は、油と相性がよくカロテンの吸収率がよいので、強火で短時間の水分を除くような乾式加熱が調理法のコツです。網焼き、鉄板焼き、炒め物、中国料理の青椒炒肉絲、酢豚、挽肉詰め、天ぷら、フライ、生でサラダに、みじん切りにしてスープ、コロッケやハンバーグ、ミートソースなどの具としても幅広く豊富な献立が楽しめます。


英名: Bell Pepper,Sweet Pepper
仏名: piment doux
独名: Paprika
中国名: 甜椒、青椒


参照:
「世界有用植物事典」「原色牧野和漢薬草大図鑑」
「化学大辞典」「日本食品大事典」「食品成分表」

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