キャベツ

キャベツ(玉菜)の花
名称 キャベツ
属科 あぶらな科
学名 Brassica oleracea var. Capitata L.
中国名 甘藍 巻心菜
食性 甘・平

「キャベツは最も日本人の嗜好に合い、生産量が大根に次いで多い品種!」

 今年も生き生きした春野菜が豊富に八百屋さんの店頭に並んで、長かった冬の寒さを忘れさせてくれます。心身共にリフレッシュできる新鮮な野菜は何よりのご馳走です。
 あぶらな科の野菜は種類が多く、春に出回る新キャベツは、果糖、ブドウ糖、ショ糖など糖質が多く、食物繊維、ビタミンC、ビタミンK、葉酸を比較的多く含み、がん予防効果はニンニクとともに第1位にランクされています。厚生労働省と農林水産省が策定した「食品バランス ガイド」では、摂取すべき野菜の第 1位にダイコン、タマネギ、トマト、キャベツが挙げられ生活習慣病の予防に欠かせない野菜です。
 西洋から受け入れた野菜の中でキャベツは、最も日本人の嗜好に合い品種も改良され生産量が大根に次いで多いといわれます。


来歴

 南ヨーロッパの地中海沿岸原産、1〜2年生草本で薬用にも食用にも利用され、13世紀には軟結球型がヨーロッパ全土に広まりました。日本へは非結球型の観賞用ハボタンが800年前に導入され、17〜18世紀には大和本草(1709年)に「おらんだな」の名が記録されています。
 食用の結球型がもたらされた幕末から明治初年には北海道や東北に栽培が盛んになり、戦後にかけて風土に合った日本の品種が出来上がり、この分野では世界をリードするまでになりました。


成分特性と利用法

 涼冷地、暖地、春・夏・秋蒔きなど、沖縄を除いてどの地域でも栽培が可能です。主産地は千葉、群馬県。5〜6月に淡黄色の十字花があぶらな科の一属らしく総状花序に付きます。結球するキャベツには紫キャベツ<レッドキャベツ>(アントシアニン系色素を含有)、ちりめんキャベツ、グリーンボールがあり、腋芽が結球する芽キャベツ、結球しないケール(青汁に)、花蕾を食べるブロッコリー、カリフラワー、肥大した茎のコールラビ、ハボタンがあります。
 外側の葉色の濃い部位は葉緑素のクロロフィルを含有し、ビタミンCとは相関性があります。ビタミンCはレッドキャベツに多く、カロテンはグリーンボールに多く含まれ、カリウム、カルシウムも含みます。遊離アミノ酸は100g中450mg含まれ、グルタミン200mg、アスパラギン29mg、アスパラギン酸27mg、スレオニン10mg、セリン15mg、グルタミン酸49mg、アラニン18mg、バリン16mgなどの他、胃粘膜を保護するビタミンUもアミノ酸の一種です。このビタミンUはキャベツから発見されましたが、現在はビタミンUとは申しません。塩化メチルメチオニンスルフォニウムクロライド (MMSC)が成分名です。水溶性ですから、あまり水にさらさずに食べましょう。
 キャベツの香気は硫黄化合物、イソシアネートで、加熱調理したときの香気成分はジメチルスルフィド。有機酸は0.3%含み、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、ギ酸、吉草酸が確認されています。
 葉をアイロンで温めて筋肉痛や痛風の痛みを和らげる温湿布に利用できますし、胃に優しい成分は、胃炎の予防にもなりましょう。ただし茹でるとビタミンC もビタミンUもカリウムも半減するので調理の工夫が必要です。春キャベツ<春玉>、グリーンボールは結球がゆるく柔らかでアクが少ないので生食に向き、冬キャベツ<寒玉>は葉がしっかりしているので煮込み料理のロールキャベツ、お浸し、炒め物に、加工してコールスローなどサワークラウト(ソーセージ・じゃがいもの付け合わせにするドイツのピクルスの一種)、糠漬け等の漬け物も大変美味しいですね。肉類との相性もよくコンビーフ、豚肉などと幅広く利用できることは経験済みと思います。紫キャベツは生産量が少なくサラダに消費される程度です。普段、フライなどの付け合わせに千切り生キャベツを添え、ウスターソースをかけてたっぷり食べる習慣が一般化しました。シチューやスープに大きく切って煮込むと子どもや高齢者にも柔らかく食べやすい食材です。毎日の食卓、とくに朝食にぜひ、バランスのよいキャベツを食べて一日の活力にいたしましょう。



参照:
「五訂食品成分表」「日本食品事典」
「世界有用植物事典」「中葯大辞典」
「原色牧野和漢薬草大図鑑」「化学大辞典」


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