チヂミユキナ

チヂミユキナ
名称 チヂミユキナ(チヂミナ・なばな)
属科 あぶらな科
学名 Burassica spp.(なばな類)

「仙台周辺の貴重な冬野菜」

 春先には、あぶらな科の野菜は茎が立ち始め、花のつぼみごと菜花(なばな)として売り出されます。3月の節句、お雛様の食卓には、菜の花の芥子和えや胡麻和えが、蛤の澄まし汁とちらし寿司に添えられ、ほろ苦さと甘味が冬の終わりを告げてくれます。山形に漬け菜として重宝されているユキナが、仙台では霜に当たり葉がきれいに縮みます。草丈は短いまま、冬の日光を浴びて栄養価をたっぷり増した、鮮やかな濃い緑色の野菜になります。縮み菜も写真のように美しい十字花を付けます。仙台の代表的な冬野菜として食卓の楽しみになります。
もちろん夏場でも植えることができますが、縮み菜にはなりません。宮城県には、伝統野菜があり、仙台長なす、からとり芋、漬け菜の仙台雪菜、仙台白菜、仙台芭蕉菜、余目曲がりねぎ、名取の芹等が有名です。そのうち縮み雪菜も伝統野菜に仲間入りすることでしょう。


来歴

 あぶらな科のアブラナ属は約40種類、北半球に広く分布する1年〜多年草で、明るい鮮やかな黄色の十字花を付けます。これは総称して、なばなとか菜の花と言っています。アブラナ属はカブ、ノザワナ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、アブラナ、キョウナ、カリフラワー、ブロッコリー、チンゲンサイ等々多くの有用植物があり、葉、根、花は野菜や飼料作物になり、ナタネの種子は良質のナタネ油(油料作物)として重要です。アブラナ属は中国を中心に東アジアで多様に品種分化がすすみました。
 古代ギリシャやローマでもキャベツは知られていて結球するもの、ケールのように結球しないものもあり、日本ではケールの仲間の葉ボタンは、正月用の生け花の花材になって飾られます。


成分特性と利用法

 ユキナは食品成分表には記載がなく、なばな類、なたね油として収載されています。
なばなは、和種(花蕾・茎):洋種(茎と葉)に区別されています。
それぞれ100g中、蛋白質 4.4g:4.1g、脂質0.2g:0.4g、炭水化物5.9g:6.0g、カリウム390mg:410mg、カルシウム 160mg:97mgであり、カロテン(2,200μg:2,600μg)、ビタミンC(130mg:110mg)、鉄、ビタミンB1、B2の含量が多いことも特徴です。チヂミユキナの成分も是非精査していただきたいものですが、きっとカロテンもビタミンCも多いのではないでしょうか。
 ユキナには独特の風味とほろ苦さと甘味があります。下茹でしてお浸し、和え物に、みそ味の炒め物、天ぷら、味噌汁の具など、お総菜にします。菜の花の浅漬けも喜ばれます。大人の味でしょうか。



参照:
「世界有用植物事典」「日本食品大事典」「食品成分表」
宮城県HP:仙台農業改良普及センター「仙台伝統野菜」
渡辺採種場「縮みユキナの種子について」(宮城県遠田郡美里町小牛田)


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